Criterion Global

リテール・メディア・ネットワーク

"“The intelligent investor shouldn’t ignore Mr. Market… do business with him, but only to the extent that it serves your interest.” – Benjamin Graham"

Retail Media Networks How and Why and Where to Begin

リテールメディアの誕生

かつて、すべては「棚」から始まりました。
店舗はブランドを棚に並べ、消費者はその棚から商品を選ぶ。そして、それで商売は成り立っていました。

しかし今では、棚はオムニチャネル化しています。店頭はもちろん、オンラインやアプリ内でも商品は消費者に届けられます。リテールメディアは、販売の現場でブランドの存在感を直接コントロールできることに加え、購入行動まで追跡できる効果測定を可能にします。

小売側にとっても、メディア事業は利益率が非常に高く、70〜90%に達します。比較すれば、食料品そのもののビジネスは平均2〜3%程度の利益しかありません。

多くのリテールメディアが成熟し始めたのは2020年以降ですが、私たちはそれより前、2011年からクライアント向けにリテールメディア戦略を手がけてきました。
ラグジュアリーブランドのNet-A-Porter と協業し、Orient-Express/BelmondAether Apparelの戦略も担当しています。

その後も、ヨーロッパで最も急成長したヨーロッパで最も急成長した食品配達アプリの成長支援、米国で人気ホリデーカードブランドのリテールメディア戦略、さらにはカリフォルニア産ぶどうのような生鮮商品のグローバル戦略など、幅広く対応してきました。

ここでは、グローバルブランドが知っておくべきリテールメディアネットワークの基本──なぜ重要なのか、どこから始めるべきか、どのように戦略を進化させるか──をご紹介します。

Retail Media Buying: What to Know

The IAB calls retail media networks the "third wave" of digital advertising. But unlike social, digital's "second wave" which demanded oceans of new content from brand marketers, retail media is dominated by the paid media buying opportunity. It is, by comparison, content-light in terms of creative burden for brands, but can be investment-heavy if not calibrated correctly.

リテールメディアネットワークの”手探り運用”

リテールメディアはほんの一部大手企業による巨大プラットフォームに独占されています。
しかし、こうしたプラットフォーム上では、ユーザー体験や広告主体験が必ずしも良好とは言えません。

たとえば、Amazonでトイレットペーパーを検索してみると、298円のロールではなく、15万円のTotoトイレのスポンサー広告が表示されることがあります。トイレ販売における潜在価値が高いためですが、検索したユーザーにとっては全く関係がなく、役に立つとも言えません。

また、Walmart Connect(ウォルマートのリテールメディアネットワーク、メキシコのWalmexも同様)を見ても、世界第2位の小売ネットワークであるにも関わらず、最大手のブランド広告は小さく、ぼやけて見え、ブランドにとって理想的な環境を提供していません。

さらに、広告主は複数のプラットフォームで広告を運用しますが、各プラットフォームが独自の測定方法に基づいて売上への寄与を主張するため、中立的な視点が欠けた状態に陥りやすいというジレンマが発生します。

このように、リテールメディア担当者は、**効果が見えない中で広告を買い増す“手探り運用”**を強いられています。魅力的なブランドの魅せ方を妥協したまま、広告費を増やさざるを得ないのです。

リテールメディアとブランドの「腐れ縁」

リテールメディアネットワークは、しばしば**「腐れ縁」のような存在**になります。高コストな割にブランディングは妥協を強いられる──悩みは多いですが、それでもなしではやっていけない、そんな状況に陥りがちです。

私たちのリテールメディア専門知識があれば、段階的なテストを通じて広告の実質コストと実際のリターンを見極めるプロセスを提供し、こうした“難しい関係”を整理することが可能です。

時には、リテールメディアに依存せずに独立型ショッパーアプリを活用することで、実際に購入された分だけ広告費を支払う”Pay for Performance" 型の広告出稿も取り入れ、新しいものに敏感な購買層にリーチすることも可能です。(詳しくは、米国最大級の小売店ウォルマートでZEISSの売上を+14%伸ばした事例をご覧ください)。

進化を続けるリテールメディアの広告メニューは豊富すぎるほどです。でもその中で本当に売上に直結する広告はどれか、どのタイミングで打つべきか──これを最適な戦略に落とし込めるのが私たちの強みです。

グローバル・リテールメディアのチャンス

世界全体のリテールメディアネットワーク投資の約40%は米国市場に集中しています。つまり、米国外でのリテールメディアの機会は非常に大きいということです。international media buying

Year US (Billions) Worldwide (Billions) US v. Worldwide
2025 62.35 USD 156 USD 39%
2026 74.06 USD 170 USD 43%
2027 85.98 USD 185 USD 46%
2028 97.91 USD 202 USD 48%

出典: eMarketer, 2025

特にアジア圏では、モバイルの普及が世界をリードしており、2016〜2017年頃には、ニュースや動画、SNSなどのコンテンツを楽しみながら、そのままアプリ内で商品購入までできる体験が一般化し、メガアプリの成長が地域全体で進みました。一方、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、中東、アフリカでは、リテールメディアはまだ発展の初期段階にあります。要点としては、米国・アジア以外の国際市場では、リテールメディアネットワークはまだ新しく、潜在的なチャンスに対して資金が十分に投入されていないことです。年率15〜30%という成長レートを考えると、早期に参入するブランドほど大きなアドバンテージを得られることになります。

私たちは、市場を支配する大手企業から新興プレイヤーまで、小売・食品関連ブランドの国際展開をサポートしています。

リテールメディア+エージェンシーの専門知識の強み

リテールメディアで成果を上げるには、プラットフォーム任せにせず、自ら戦略を生み出すことが欠かせません。ここで力を発揮するのが、リテールメディア専⾨のエージェンシーやスペシャリストです。

私たちは、クライアントの戦略立案から実行までを支援するだけでなく、複数の広告主を担当してきた経験に基づく知見も提供します。これは、単一の広告主がプラットフォームの営業担当者から聞ける情報をはるかに超える価値です。

ネットワーク選定から、適切なオーディエンスのターゲティングまで、エージェンシーの介入により投資対効果を最大化できます。

Criterion Globalは2011年からリテールメディアネットワークの活用に取り組み、クライアントから信頼をいただきながら、革新的な戦略と高い成果を実現してきました。ご興味のある方は、お気軽にお問合せください

リテール・メディア・ネットワーク | Criterion Global