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TV+ストリーミング広告戦略

""Stone Age, Bronze Age and Iron Age. We define entire epochs of humanity by the technology they use." - Reed Hastings"

TV+ストリーミング広告戦略

TV Media Buying 360°

テレビは終わったーそんなことを耳にする機会は非常に多い。でも厳密に言えばテレビは──進化している。
人々がテレビを観なくなったわけではなく、視聴方法が増えただけだ。映画館、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン──デバイスは単なる手段であって、映像への熱狂は変わらない。

「テレビ」がもはやテレビ画面の中だけで完結しない今、ブランドはどのようにTVメディアバイイングを考えるべきだろうか?
今日のオムニチャネル時代では、「プログラマティックTV」や「OTT」「CTV」といった言葉にこだわるのではなく、**Video 360°**という包括的な視点で捉えることが重要だ。

この発想の転換により、議論の中心は「どのプラットフォームで出すか」ではなく、「どんな視聴者体験をどう導くか」へと移る。リニア(従来型テレビ)とデジタル動画を戦略的に組み合わせ、ブランドを成長させ、ビジネス成果に直結させる考え方だ。

賢いブランドは、単なるリーチ数ではなく、持続的に拡大できるエンゲージメントを狙っている。
いまや問うべきは、「どの画面で届けるか」ではなく、「どうすれば多様な視聴者をつかめるか」だ。

TV vs. Programmatic TV?

日本企業が海外で動画広告を実施する上で、覚えておきたい用語を整理します。
「Traditional TV」と「Digital Video」あるいは「Programmatic TV」とは何でしょうか?

テレビ広告でリーチとエンゲージメントを得る方法は大きく2つあります。ひとつは従来型テレビ(Traditional TV)、もうひとつは**プログラマティックTV(Programmatic TV)**です。

従来型テレビには、地上波・ケーブル・衛星放送などが含まれます。いわゆる「リニア(Linear=縦)」型で、時間帯(デイパート)daypartや地域、視聴者属性、チャンネルに基づいて広告が購入・放映されます。
この手法の強みは、圧倒的なスケール、信頼性、そして「いつ・どこで・どの番組で広告が出るか」が明確であることによる安心感です。
ただし、リニア視聴はゆるやかに減少しており、購入プロセスも決してスマートとは言えません。

一方で、「ProgrammaticTV」あるいは「Digital “video” advertising」と呼ばれる領域には多くの呼び名があります。
私たちの定義では、「ビデオ」とは接続されたあらゆるデバイス(テレビを含む)で視聴されるコンテンツを指します。
デジタル動画戦略とは、デジタル手段を用いて“オーディエンス(視聴者)を基軸に”広告枠を購入することを意味します。

これには、1stパーティデータや3rdパーティデータを用いて特定の世帯や個人をターゲティングする「オーディエンスベースドTV(Addressable TV)」が含まれます。(番組や時間帯に関わらず、届けたい視聴者を指定した広告配信)
また、「OTT(Over-the-Top)」 (OTT)や「VOD(ビデオ・オン・デマンド)」、「ストリーミングTV」なども、この文脈で語られる“プログラマティックTV”の一部です。YouTubeのTrueView、Roku、Apple TV、Firestick、かつてのInstagram TVなど、デジタルで購入可能な多様なチャネルがここに含まれます。

重要なのは、オーディエンスとコンテンツがもはや特定のデバイスに縛られていないという点です。
”テレビ”はあらゆる場所で視聴されており、TVメディアバイイングもこの新しい現実を受け入れる必要があります。

TV広告にメディアエージェンシーは必要か

プログラマティックTV──つまり CTV や OTT を含む領域──は、広告主に対してリニアには難しい「トラッキング可能性」と「効率性」を約束してきました。
この魅力により、CTV広告費は過去5年間で316%増加し、2028年までにさらに倍増すると予測されています(出典 1)

しかし、この“ゴールドラッシュ”には副作用もありました。広告詐欺の増加、不透明な成果、そして「本当に投資が成果につながっているのか?」という広告主の疑念です。
本当に狙ったオーディエンスに届いたのか?それとも、深夜4時のどうでもいい動画の後に広告が流れていただけなのか?

プログラマティックTVは「シンプルさ」を約束します。
しかし、実際の視聴環境は複雑極まりません。無数の広告テック企業──SSP(サプライサイドプラットフォーム)
や DSP(デマンドサイドプラットフォーム)といった仲介業者たち──が、まるで“太陽系”のように入り乱れ、それぞれが広告費の一部を手にしています。

この分断された視聴環境において、プログラマティックTVメディアバイイングには3つの本質的な課題があります。

  1. チャネルごとに測定指標と購入戦略が大きく異なる。たとえば、Roku、Apple TV、YouTubeやHuluのストリーミング配信を比べるだけでも、それぞれのターゲティング精度、入札方法、視聴データの取得手段はまったく異なります。

  2. オーディエンスベースのターゲティングも万能ではありません。精緻なターゲティングは、特定層への過剰配信というリスクを伴います。―同じ番組で、同じ広告が10回以上繰り返し流れるのを見たことはありませんか?これは1stパーティデータを用いた配信で頻発する問題です。

  3. プログラマティックTVの普及が、コストの高騰を招いている。これを考慮するならば、視聴者数が緩やかに減少しているとしても、リニアTVは今なお“手頃なスケールリーチ”という点で優位に立っています。

Video Killed the Radio Star...?

従来型テレビ広告(地上波・ケーブル・衛星放送)は、依然として世界的に動画向け広告費の大半を占めていますが、従来型TVの視聴は年間で5〜9%のペースで減少しています。

それでも、テレビの持つ圧倒的なリーチと安定したターゲティングは、決して時代遅れではありません。
実際、大手テック企業 やデジタルスタートアップですら、ソーシャルメディアのデジタル動画よりもテレビ広告に多くを投じています。さらに、ライブイベント(スポーツ観戦など)に関しては、世界中の85%が過去一年間にライブ配信を視聴しています。

ブランドや製品の認知向上を目的とするなら、テレビは依然として不可欠です。
加えて、テレビネットワーク側も、プログラマティック広告 よる低CPMに対抗しつつ、広告主が求める人口統計に基づく保証と広範なリーチを提供するために進化しています。

テレビ広告費の維持・向上のため、ネットワークでは広告枠の総数を減らす動きがあります。この需給の変化には、次の3つの結果が見込まれます:

  1. シェア・オブ・ボイス(Share of Voice):広告主は、数量限定のプレミアム枠の中でより大きな存在感を獲得できる(ただし費用は上がる)。

  2. 視聴者体験(Viewer Experience):広告数が減ることで、視聴者のテレビ離れを抑える効果が期待できる。

  3. 効果検証(Proof of Effectiveness):マルチタッチアトリビューションに対応することで、テレビはリコールや直接的なレスポンスにおいて依然として優位性を保つ。

A Bespoke TV Media Buying Agency

賢いマーケターは、**プラットフォームに依存しない「ニュートラルな視点」**で動画メディアバイイングを行うことが最も効果的だと理解しています。

例えば、GoDaddy.com。言わずと知れたデジタルブランドですが、世界中でデジタル商品やドメインを販売しながらも、グローバル成長戦略ではテレビの力を活用しました。global growth strategy

ブランドが一定以上の成長段階に達すると、テレビメディアバイイングは不可欠になります。
プログラマティック広告は、低予算で精密なターゲティングを実現する一方で、ブランド認知向上の達成にはテレビを必要とする場合があります。
広告戦略の最適なミックスはオーディエンスの視聴習慣に基づいて決まるべきです。

私たちCriterion Globalは独立系のメディアバイイング代理店として、クライアントへの「売り切り型(sell-through)の前提条件」に縛られることはありません。(解説:大手広告代理店にありがちな、広告枠を一定量購入する義務)
だから、クライアントにとって最適な戦略を提供することに専念しています。

テレビメディアバイイングがあなたのブランド成長をどのように後押しできるか、戦略担当者との30分のご相談でぜひご確認ください。

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