BVODとは?他のストリーミングサービスとの違い
BVOD(Broadcaster Video on Demand、放送局系動画配信)とは、従来型のテレビ放送局が運営するオンデマンドおよびライブのストリーミングサービスです。英国のITVXやChannel 4、オーストラリアの9Nowや7plusが代表例で、放送局自身が制作したプロ品質の番組を配信します。多くは無料の広告収入型で、広告主にはオンライン動画ではなく「テレビの延長」として販売されます。
BVOD と他のストリーミングの違い
ストリーミング関連の略語は重なり合うため、BVODの位置づけは「誰が運営し、どう収益化しているか」で整理するのがもっとも明快です。
- BVOD は放送局が運営します。コンテンツは、リニア(通常の放送)チャンネルで流れるものと同じ、規制を受けたプレミアム番組に加え、ボックスセット(シリーズ一括配信)やライブ配信です。視聴者は通常、無料でログインでき、サービスは広告で成り立っています。
- SVOD(Netflix、Disney+)は月額課金型で、近年は広告付きプランも加わりました。
- AVOD は、広告収入で運営されるオンデマンドサービス全般を指す包括的な用語です。BVODは、放送局が背後にいるAVODの一種です。
- FAST チャンネル は、無料で視聴できるリニア型のストリーミングチャンネルで、ライブラリ作品から編成されることが多く、Samsung TV PlusやPluto TVなどのプラットフォームで提供されます。
BVODは「コンテンツと運営元」に着目した呼び方です。OTT は配信方法、CTV は視聴する画面を指すため、1回のBVOD広告インプレッションが、OTTであり、CTVであり、AVODでもある、ということが起こり得ます。
広告主にとってBVODが重要な理由
BVODは、リニアテレビがすでに取りこぼしている層に届きながら、ブランドセーフでフルスクリーンというテレビならではの環境を保てます。この用語がもっとも定着している2つの市場のデータを見てみましょう。
- 英国: Thinkbox によると、2025年のBVOD視聴は前年比11%増で、成人の全視聴の15%を占め、16〜34歳では34%に上ります。BVOD視聴の90%はスマートフォンではなくテレビ画面で行われています。
- ITVX: 2025年11月までに累計30億ストリームを突破し、Barbの数値では、2年間にわたって毎月、英国の民放系BVODプラットフォームで第1位を維持しています(Advanced Television)。
- オーストラリア: 2025年下半期の OzTAM VOZ Total TVレポート では、週間のBVOD視聴時間が25億分で、前年比27%増でした。BVODのみの視聴者は、放送テレビに対して週あたり約11%のリーチを上乗せし、16〜39歳では16%超に達しています。
最後の数字こそ、BVOD購入の核となる根拠です。BVODを組み込めば、リニアだけではもう届かない、若く視聴時間の短い層をテレビプランで取り戻せます。
BVODの買い方
BVODの広告枠は、放送局自身のセールスハウスが販売します。テレビ枠とのセット販売、直接購入、あるいはプライベートマーケットプレイスを通じたプログラマティック購入といった方法があります。視聴者がログインしているため、放送局はリニアテレビにはできない、属性やファーストパーティデータに基づくオーディエンスターゲティングを提供できます。計測もリニアとの統合が進んでおり、オーストラリアのVOZと英国のBarbはいずれも、放送とBVODの視聴者を合わせて報告するため、テレビ全体のリーチとフリークエンシーを計画しやすくなっています。
国際的な広告主が押さえておきたい実務上のポイントが2つあります。
- この用語は地域限定です。 「BVOD」は英国、オーストラリア、ニュージーランドでは標準的な用語です。米国では同等の枠はネットワーク系のストリーミングアプリにあり、通常はCTVやストリーミングの区分で購入します。日本ではTVerなど、放送局系のキャッチアップ配信サービスが近い位置づけです。このように、ブリーフは市場ごとに読み替える必要があります。
- 広告は放送の規制審査を通過する必要があります。 BVODのクリエイティブは通常、その市場のリニアチャンネルと同じ原稿審査プロセスに従うため、制作スケジュールにあらかじめ組み込んでおくべきです。
BVODの実践例
GoDaddyが英国に進出した際、Criterion Globalは、ITVやChannel 5などの放送局との直接購入を含め、テレビのリーチを軸にローンチを設計し、BCAPとClearcastの承認までクリエイティブを導きました。この放送局との関係と審査プロセスは、そのまま各局のBVOD枠にも通用します。そのため私たちは、BVODを独立したデジタル枠ではなく、テレビメディアバイイングの一部として計画しています。
ストリーミングの全体像をさらに知りたい方は、OTT広告とCTV広告のガイドをご覧ください。BVODをリニアやその他の動画チャネルと市場ごとに比較して規模を見極めるには、Criterion Global Budget Blueprint℠が、支出を確定する前に各市場で必要な投資水準を示します。